お正月とか夏休みとか、田舎に遊びに行くと
決まって爺(実は伯父)は
「大きくなったなぁ。大きくなったなぁ。」と言って、
私の頭が天井につくくらいの勢いで抱き上げてくれました。
小学校も高学年になってくるとそれが嫌になってきて、
どうにか爺に捕まらないようにと逃げ回るのだけれど、
絶対に抱き上げられる羽目になるの。
「おぉ!重くなったなぁ!」なんて私の嫌がることをわざと言ったりして、
その頃は本当に伯父の事が嫌いだった。
そんな気持ちが薄れる頃には、
何やかやと忙しくなってきたり祖父母が亡くなっていた事もあって
家族で遊びに行く習慣は既になくなっていたっけ。
大人になってからは
年に一度母の所へ送られてくる「七色(なないろ)」が
唯一田舎を思い出させてくれるアイテムでした。
「七色」は七味唐辛子の別称ですが、
我が家では市販の物を「七味」、爺が作った物をと「七色」と
名称を使い分けていました。何でだか知らないけど。
「今年は青海苔多いよ。お雑煮にしか使えないじゃん(><)」
なんて文句言ったりして。
昨日、爺がなくなったとの知らせを受けました。
大酒のみでヘビースモーカーでとっても短気な爺が、
5年も肺ガンと付き合ったのは上出来だと思う。
先週は従兄弟や友人の結婚式や
入籍直前お祝いパーティーなどなど
おめでたい事が目白押し。
ようやく一段落だなぁと一息ついたところだったから
「……絶妙のタイミング。」と思わずつぶやいてしまったよ。
あぁそうそう。
お雛様の日、外出前に味噌汁を一杯頂いたんですが。
その時に使ったのが最後の七色でした。
もっと味わっていただけばよかった。
もっと大事に少しずつ使えばよかった。
なんて言ったらきっと爺なら
「くだらん!」って一喝するんだろうなぁ(笑